Archive for 6月, 2010
初めての通し
雨のおかげで、グリーンカーテンのへちま、にがうり、朝顔がワシワシと伸びている。
この成長の手応えがあると、おかげで梅雨の雨も湿気もいやにならない。これ発見!ほんとよ。
さて、先日私の作品の初めてのラフな通しがあった。
通し稽古というのはとめないで、一気に最後まで
やるということ。
結果、自分の作品というものがいやでも見えてくる。
作者としては、不思議なほど、初めての通しが
終わって、感動もなにもない….
むしろ、虚無…..
構想を入れれば、20年も前からあったテーマだし、
実際にプロジェクトがスタートしたのは昨年の9月だから、
10ヶ月の行程になる…その間、取材旅行で知床の流氷も行ったし、様々な人にあってインタビューもさせて頂いた。
なのに、虚無…..
そもそも脚本から創るってどういう事だろう。
私の主催しているステラ・アドラー演劇のクラスでは
彼女のポリシー「よい戯曲」というこだわりがある。
だから、自分がよくわかって咀嚼出来ている戯曲をテキストに使うし、必然的に、チェーホフ、テネシー・ウイリアムズや、アーサー・ミラー、ジョン・パトリック・シャンリーなどの戯曲を扱うことが多くなる。生徒さんは日本人がほとんどなので
、実際、ブランチとか、ジョーとか、エドワートを演じることは外部ではほとんどないのだけれど、
クラスの目的のひとつは良い戯曲を読み解釈し、そして
キャラクタライゼイションを確実にしてゆくことにある。
そして、国籍とかを超えた人間の共有部分を体感してもらいたいと思っている。
良い戯曲、良い戯曲と何度となく口にしている私が作品を創ってしまうのだから、やはりそこは緊張とか、責任を感じている部分があったし、
今回、脚本を創る行程にも、そういった人間の共有部分を
大切にしたつもり….昭和、現代、そして1000年の未来の。
感動もなにもない虚無感を抱えて、私は2時間ぽっかりと空いた時間に、古本屋さんにいて、シナリオ集の前に立っていた。
すっと伸びて、手にしたシナリオ集。
「野沢尚」とある。
もしや…….この人は!
そうだった。やっぱり!
テレビをあまり見ない私が一作品だけ心に残っているドラマがあって、それは「青い鳥」というのだけど、
ずっとこの作品は好きでいつも頭の片隅にあった。「青い鳥」はこの方が書いたもの。
自分の作品の初通しが終わって心空っぽのままに
家に帰って読む、ものすごいシナリオ…..
残念ながら、この方は帰らぬ人となっている….すごい才能なのに、惜しいな、残念…..
一気に読んでみて、最後にこの方のプロフィールを見て、
あっと息を飲む。
私が彼のシナリオを手にして読んでいる今日は彼のお命日だったのだ。
偶然なのかな、
……しばらく、ご冥福を祈る。
彼のシナリオを前に心から問いたい。
作品を0=無から創るってどういうことですか?
亡くなったその人のテーマは「生きろ」とある。
前へ進めということなのか……
虚無の状態はきっと次への必要なプロセスと理解する。だって、稽古場ではこんなふうに
子ども達が頑張っているのだもの!
チケット買ってくださぁ〜い!
元気に宣伝してくれました!
ありがとう。
私も頑張ります!
それぞれの思い
本番前1ヶ月をきった。
いやでも緊張感が高まるし、
長距離ランナーにたとえれば、
ゴール前のランナーズハイにはほど遠い、
きついところ。
ここはどうしたって乗り切らなくちゃいけないところ。
出演者にもそれぞれの思いがよぎる。
やれやれ、3時間リハーサルの終わりに!
いきなり
サプライズ!
誰が入っているのかと思ったら、なんと子役さんのママ!
なんでも曾祖父さまのものだったそうで、それをきれいに
お化粧なおしして、今も地元のお囃子で活躍中!
これ、厄落としなんですよ!
というお母様の言葉に、じんとくる。
そうだよね。ほんと!厄落としてもらって縁起=演技よくってもんだ!
みんなの表情を見て、安心した。
嬉しいサプライズ、ありがとうございます!!!
gift 贈り物
先日、お友達が本を私に下さった。
地球上のたったひとりの人がそのとき
私のことを思って、本を選び、購入してくださったなんて…..
あまりにも嬉しくて、そのとき上手にお礼が言えなかったほど。
本は、オノ・ヨーコさんの「今のあなたに知ってもらいたいこと」
その日の夜、一気に読んでしまって素直に納得出来た。
あ、
この本、今の私に届けてもらったんだ…….
そして、その事に宇宙サイズで感謝出来た。
ありがとう ありがとう ありがとう
いたいけな緊張
unseen~あんしぃん〜公演一ヶ月前を目前にして、リハーサルは1分1秒が貴重なものになる。
まずは、歌稽古。当時の歌を練習する。
気がついた。
当時の子ども達のいたいけな緊張は
どれだけのものだったのだろう…..
大きな声で歌を歌って、行進する。そのアクションだけで
もはや心の奥が揺さぶられる。
こんなふうにおやつタイムでぱくついているいつもの笑顔が、なんだか特別に思える。
お忙しいだろうに、お母様達が衣装を作って来て下さる。
また、お母様達のblogにも、もんぺの作り方や、白いブラウスがみつからなくて
悪戦苦闘される様子が載っている。素晴しいのは、母のパワーで解決策をどんどこ見つけていらっしゃる事!
ありがとうございます!
こうして、衣装、小道具、照明、サウンド、大道具、これから一気に煮詰めてゆく。
で、我々流氷シーンも初めてのリハーサルをスタート!
がんばろね!
ps:先日、unseen〜あんしぃん〜のご案内メールを出させて頂いたのだが、
沢山の方から、ご丁寧なお返事や、応援メールを頂いた。
ありがとうございます!
3億キロメートルの旅路
せりふ
うた
かたをならべてにいさんと
きょうもがっこへいけるのは
へいたいさんのおかげです
おくにのために
おくにのためにたたかった
へいたいさんのおかげです
幼い頃、母に教えてもらって
うろ覚えだった歌。
今、平和のつどいで
よみがえる。
せりふ
せりふ
蛍旅行
話は前後するけど、先日我々は蛍旅行に名古屋に行って来た。
ことの始まりは、一ヶ月前に今回のunseen〜あんしぃん〜の写真家のモデル、名古屋在住の小原玲さんからお電話があり、「登坂さん….コンサートのチケットを販売する方法ってどうやったらいいんでしょうか?登坂さん演劇やっていらっしゃるから何かよいアイデアはありませんか?」とおっしゃる。
?
動物写真家の小原さんが何故ゆえにチケット販売の奔走するのか私はびっくりしたのだが、
小原さん、地元名古屋の相生山のヒメホタルを守るため、蛮勇に出られたようだ。
「そう、みんなで蛍の沢山いる相生山を守るために、原田真二さんとソプラノ歌手の雨谷真世さんがチャリティーでコンサートしてくださることになってね、チケットはぼくがすべて責任持つことになって….」
「え!」(そりゃ、かなり大変なこった!)
「あの、コンサートのあとは、みなさんで蛍を観に行くのですか?」
「はい、もちろんです!名古屋市長も一緒です!」
通常こういった企画は半年あっても足りないくらいなのに、
ここまでして、この人は地元の蛍を守りたいのだ。
これは馳せ参じなくてはと思った私。
それに、私はいっぱいの蛍を見た事が無い。
一度でいいから、見たかったし、息子にも見せてあげたかった。キャストやスタッフにも声をかけた。きゅうちゃん、ゆうさん、さっちゃん、陽子ちゃんとで6人集まった。
で、いざ名古屋へ!
名古屋に着いてすぐにきゅうちゃんのリクエストにより名古屋のナナちゃんに行く。11歳のたかは、「あ!これテレビで見た事あるよ〜。”これは必要か必要じゃないか”って特集だったよ!」
名古屋名物の待ち合わせ場所らしい?
なるべくお金のかからぬようにとホテルではなく校外のバックパッカー用の民宿に宿をとったのだが、ここでもまたきゅうちゃんの嗅覚で、近くにメチャクチャおいしい名古屋コーチンのお店を発見!
いや〜〜〜、ほんとうにおいしかった!
全部生で食べられるくらい新鮮!しかも格安。ここでコンサートの前に腹ごしらえ。
コンサートのパンフレットは小原さん手作りの限定版。これだけでも希少価値あり。みなさん、緑を守るという一念で集まられたようだ。
特に、原田真二さんは、私達の世代にとっては超アイドルだった人。デビュー33周年とおっしゃっていた。トップアイドルでスタートしてから今日に至るまでの旅路を考えると、歌もピアノもギターも素晴しかったな…..
さて、コンサートのあとはいよいよその名古屋相生山のヒメボタルをみんなで観に行く。
蛍は真夜中の1時過ぎでないと、出てこないようで、我々は地元の方たちのご案内で月明かりの山に入ってゆく。
月明かり。
月明かりしかないのだ。
月明かりだけで、くっきりと影が出来る。
私はもうすでに感動している。
突然現れる巨大なコンクリート。これなのだ。
天白区相生山緑地は50年程前に計画された都市計画道路が用地買収に目処がたって着工されて、話によると80%は完成させているこの道路が今、とりあえず、ストップしているそうなのだ。
異様な風景だった。
山の中の巨大コンクリートモニュメント。
一種芸術的。インパクトがすごい。
私たちを連れて来て下さった地元市民の方、緑を守りたい一心のアーティスト達、環境問題に携わっている方々とともに、
名古屋市長を真ん中に、報道陣は一斉にフラッシュをたく。
小原さんが言いたいのは、みんなで一緒に考えて欲しいということ。
蛍はいつもより、遠慮がちに飛んでいたそうで、それでも私には見た事もないような、
そう、語りかけるような光を見せてくれていた。
徹夜明けの小原さんは次の日に我々の為に時間を取ってくださってキャストとお話して下さる。特に由美君は写真家役。
100のリハーサルよりもこの瞬間が大切なのを私は知っている。
「いや〜演劇やっているなんて、お金にならないけど、みんな良い表情していますよね〜」なんて、飄々とおっしゃる小原さん。いったいどれだけの持ち出しでこの企画をやり通したのだろう…..
帰宅して、息子たかにきいた。
「ねえ、たか、蛍どうだった?」
「ああ、きれいだったきれいだった!あのねえ、
生きている流星みたいだった!」
生きている流星……
行った甲斐があったな〜〜〜〜。
じつは、私の家の前にも蛍がいる。都心なのに、
毎年夏にちろちろとほんの少しだけど、蛍がいるのだ。
感動したな。ここに来て、生まれて初めての蛍の光を見たときは。
宮崎駿さんのことば、「自分の守るべきフィールドを見つける事。自分の家の近所とかで。
毎日そこを通る人がやるのがいい。みんなが自分の半径300メートルの自然に責任を持つ。
それが一番いい生き方だと思うんです。」
やっぱりささやかでも出来る事から始める事だね。足元から。
*unseen〜あんしぃん〜が上演される東都生協さんの平和のつどいでは、この小原さんが
いらして、トークをして下さる。ご自身の撮られた写真の展示と共に、その目で見たまま、感じたままを
お話して下さる。
みなさま、ぜひいらして下さい。そしてその人となりに触れて下さいね!






























