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Noriko's Blog

3月22日までの歩み その4

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私の叔父さん…..

昭和5年生まれ。

いつも温厚で、背が高く、にこにこ。

私が小さい頃の母と叔父さんの待ち合わせは、

東京駅の大丸デパートの前のたしか太い柱の何番目。

その日は必ず私も何か買ってもらえるから、すごく楽しみでした。

職業軍人の父親を持った兄と妹は、戦中と戦後では生活は一転して、

苦労しただけに、私から見ても仲の良い兄妹で、母が56歳で逝ってしまった時は、

「幸子、幸子」って、額を母にくっつけて号泣してしまった叔父でした。

 

晩年の叔父にはなかなか会う機会が無かったのですが、

その時受話器の向こうの叔父は、あのおっとりした声で、「のんちゃん、のんちゃんはアメリカでも

帰国してからも、劇をやっているんでしょ?叔父さん、エッセー書いたから

その原稿を送るね」というものでした。

 

「8月15日の記憶」

 

昭和20年、叔父は15歳。

学生は勤労奉仕として、勉強ではなく、金沢のお寺に泊まりこんで、

機械を使っての重労働。その日々を、しっかりとしたエッセーに仕上げていたのでした。

私を驚かせたのは、あの温厚な叔父が書いたとは思えない、怒りに溢れたその文章。

と、同時に、得意の絵を用いて生き生きと描かれてたものは、当時の15歳の青年が見たもの、

感じたこと、楽しみにしていたこと、そのものでした。

スキャン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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スキャン 2

 

そして、日本中の価値観が一転した、8月15日のところでは、

エッセーのラストは、見事に私の予想を裏切りました。

それは….

 

 

3月22日までの歩み その3

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山のような写真集は桃井和馬さんという方の本でした。

取材地は、紛争地からアマゾン、アフリカ、ロシア、南米、etc.etc….

この人のパスポートの出国入国スタンプはあっという間に一杯になっちゃうんだろうな〜

などと、思いつつ著作を読ませて頂きました。

そして、その方の講演会が近くの教会であるというので、私は、のこのこ出向いて行ったわけです。

 

実際にその眼で真実を見た人の話を聞きたい。

 

その日は、穏やかな日で、東急大井町沿線の駅からすぐの小さな教会で、

アットホームな講演会だったのですが、最後に質問させてもらうことがあったので、

つい、私は聞いてしまいました。

「あの、桃井さんは、その眼で世界中の戦争や悲劇や不条理を見ていらしたけど、

平和というものはあるのでしょうか?」

今思えば無茶ぶりな質問です。でも、桃井さんの答えはきっぱり、

「平和なんて、無いです。ただ、平和を希求しない奴はダメだ。

このように、机を挟んで、この距離で、こうやって語り合う、ここにそれがあるんですよ。」

 

あっさり「無い」と言われ、むしろ何か軽くなったような、

そうか、この距離でいいのだ、向かい合った人と

語り合う、ここにそれがあるのだ。

当時の私には、かなり救いの言葉でした。

そして、その著書の中の一冊にあった、子供たちへ書かれた本には、

 

「一日を愛し、一年を憂い、千年に思いを馳せる」

 

というメッセージがありました。

平和の子供劇を作っていて、自分の息子をほったらかしにしてしまったり、

人間関係でまったく平和どころか、和解すら出来てなかったり、

ついつい、自分自分自分になってしまっている矮小さ。

こんなふうに、時空軸を持って、生きることが出来ないものかなぁ….

PTAに出かけながら、二子玉川の奥地の菜の花畑をぷらぷら歩きながら思うわけです。

 

そこに、めずらしく私のおじさんから電話がありました。

それは…..

 

 

 

 

 

 

 

3月22日までの歩み その2

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6年生が作った劇は、自分たちで脚本も書いた、「戦争」をテーマにしたものでした。

4組あったので、各クラス選んだ題材は、「原爆」「食料配給」ごめんなさい、忘れちゃった!もうひとつはなんだったかな?

そして「学童疎開」でした。

それは良く出来ていて、ちゃんと当時の事を調べて作ったのが良くわかります。

原爆の落ちた時の表現など、体育館の隅においた和太鼓をドン!と一発叩いて、

真っ暗にして、無音の中ダンボールがバラバラと崩れ、静かに生徒たちが倒れます。

実に怖い。学童疎開の劇をやった組はちゃんと大きな汽車を作って、

お別れのシーンを作りました。

親としても、また演劇に関わっている者としても、ちょっと言葉にならないものを受けて、

ここまでの作品をちゃんと作ったのだから、きっと先生方も、それはちゃんと指導して下さったのだろうと

思い、廊下で担任の先生に駆け寄りました。

「先生、素晴らしかった!どうやってあんなふうに作ったのですか?」

先生はニコニコして、「登坂さん、子供たちは全部自分たちで作ったんですよ〜。私たちはそれを見守ってただけで」

 

自発的に何かをやる……

 

この頃、私は「伝える」という難しさにぶつかっていまして、

特にこういった「平和」ということになると、返って難しい。

「A Thousand Cranes 〜禎子と千羽鶴〜」も、何度も辞めようと思うのですが、

なんだか結局、機会をもらうと一生懸命上演してしまう。しかし、私がそういう事を出来る資格があるのか。

世の中に平和なんてあるのかいな?と自問自答しつつ、結構苦しい時期でした。

 

なので、5年生の時に体育館で自発的に鶴を折った子たちが、自発的に「戦争」の劇を作ったというのは、

ああ、こういうものなのだ。こちらが力まなくても、信じ、見守っていけばいいのだと。

息子の小学生最後の学芸発表会は、まさに、大きな答えをもらったような体験だったのです。

 

私は「伝える」という事に対して、もう少し明確な何かが欲しくて、

この頃から、地球の果ての紛争地域などで写真を撮っている、フリーランスの報道写真家の方の

お話を聞きに行くようになりました。彼らこそ、真実をその目で見て伝えている人です。

そして、

ある時、親切なご婦人が山のような写真集を私に下さりました。

それは….

 

つづく

 

 

3月22日までの歩み その1

 

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すっかり時間があいてしまいました。

久しぶりにアップするblogですが、今回は、お伝えしたいことが沢山あるので、こつこつとやろうと思います。

来る3月22日、私が住んでいる地域のプロジェクト「せたよん」で、

「A Thousand Cranes~禎子と千羽鶴〜」を今年も上演致します。

今回は昨年と違って、前半の部分はカットして、ヒロシマのストーリーの部分のみの上演になります。

後半は、初めての試みなのですが、2010年に東都生協「平和のつどい」で上演した、私のオリジナル作品「unseen 〜あんしぃ〜ん」を学童疎開児童の部分だけ、朗読劇にしてやってみようと思います。

この劇が出来るきっかけや、それからのつくるまでのエピソードを

たぶん、当日はお話ししきれないと思いますので、ここでお伝えしたいと思います。

 

最初のきっかけは、息子のトシが当時通っていた砧南小学校の体育館で

禎子と千羽鶴を上演した時のことです。5年生のときだから、もう9年前になりますね….。

とても演劇が好きなトシの担任の先生の発案でした。その時は、私にヒロシマ弁を指導してくださった、村上啓子さんも来てくださって、ご自身の体験も5年生さん全員にお話してくださりました。

体育館で、終わったあとに、一人、二人と、鶴を折ってきてくれて、結果子供たちが自発的に折った鶴は、いつのまにか千羽になり、それを啓子さんはちゃんと千羽鶴にして、ヒロシマに持って行ってくださいました。

さて、みんなは進級して、6年生になりました。

春が来て、夏が来て、秋の学芸発表会を観に行って、私はびっくりしたのです。

つづく

 

2014年 夏の一日体験ワークショップのお知らせです。

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studio unseenでは8月の土曜日に、一日体験ワークショップを開催します。

*リンクレイターヴォイスワーク

#第一回:816日(土曜日)16:00pm~19:00 pm(3hours)

  テーマ:身体と呼吸への気付き。声を通して自由へ。

#第二回: 823日(土曜日)16:00pm~19:00 pm(3hours)

  テーマ:重力と抗重力の中での、最大限のヴォイス=エネルギーワークへの体験

*ステラ・アドラー演劇一日ワークショップ

830日(土曜日)16:00pm~19:00pm(3hours)

場所:studio unseen

153-0041

東京都目黒区駒場3-5-6 B1F井の頭線駒場東大前駅徒歩5分)

講師:登坂倫子

宝塚歌劇団出身。星組娘役「乙原愛」の芸名で9年の舞台生活の後、1993年渡米。ハリウッドのステラ・アドラー・アカデミー・オブ・アクティングを卒業。現地の舞台で女優、演出家としてデビュー。2005年帰国後は日本初のステラ・アドラー演劇とリンクレイターヴォイスワークの長期クラスをスタート。2010年は初オリジナル作品「unseen~あんしぃん~」を発表。2011年夏よりスタジオunseenをオープン。2012年同スタジオ初llavo公演では、「ダウト」のシスターアロイシスを演じる。

著書:「宝塚」「アート オヴ ヴォイス」現代書館

内容:

リンクレイターヴォイスワーク:現在ニューヨークのコロンビア大学で教鞭をとる、クリスティン・リンクレイター氏によって考案されたヴォイスワークです。リラクゼイション、呼吸の認識にはじまり、心技体を通して人間の真のヴォイスを取り戻してゆきます。また、アクター自身が3~4オクターブのスピーキングレンジ(声域)を持ち、クラスを終了したあとでも自分でヴォイスウオーミングアップ(20分)出来るようにします。今回のワークショップは、2回の構成になっています。一回目はコミュニケイションとしての声のシステムを基本からわかりやすく体験し、呼吸や身体を通し、声を妨げているものを探求します。最後には、テキストワークとして、詩の暗唱をやります。2回目は様々な動きに合わせた声の体験を用いて、声を今まで力んで出していたのだとしたら、そういった概念を一転させるワークを体験します。声はもっと楽に出るものなのです。

受講はどちらか一日でも構いません。2回とも受講されるのも、大歓迎です。声に興味ある方でしたら、どなたでも受講して下さい。

HP内クリスティンリンクレイター解説

http://un-seen.net/lesson/linklater/

クリスティン リンクレイター ウィキペディア(英語)

http://en.wikipedia.org/wiki/Kristin_Linklater

ステラ・アドラー演劇ワークショップ

ステラ・アドラーはアメリカ1930年代にグループシアターで活躍し、その後ニューヨークとロサンゼルスにステラ・アドラーアカデミーオブアクティングを設立。マーロン・ブランド、アル・パチーノなど、優れた俳優を育てました。またスタニスラフスキーから演劇を直接学んだ貴重なアメリカ人でもあります。

今回のワークショップでは彼女のドキュメンタリーDVDを鑑賞し、そのあと、基本エクササイズである、imagination(想像力)place(場所)、action(行動)を追求し、アクターを真の体験に導くワークを行います。参加には、演劇経験は問いません。どなたでも受講して下さい。

HP内ステラ アドラー解説

http://un-seen.net/lesson/stella/

各クラスお申込みhttp://un-seen.net/

メールフォームよりお申込み下さい。

受講料:各クラス6,500円、2クラスご希望の方は12,000円、3クラス受講希望の方は、18,000円の割引料金とさせて頂きます。HPの、メールフォームよりお申込み下さい。その際、携帯電話番号も必須でご記入下さい。ごく稀ですが、PCからのメールが携帯に届かない場合や弾かれてしまうことがありますので、ご協力をお願い致します。

何月何日のどのワークショップを受講されるか、はっきりと明記下さい。

例)830日のステラ・アドラー演劇1クラス受講希望。

例)8月16日、23日のリンクレイターヴォイス 2クラスともに、受講希望。

例)8月16、23日のヴォイス2クラスと、8月30日のステラ・アドラー演劇の3クラスともに、受講希望。

*参加へのメールフォームからのお申込みは随時受け付けております。また、今回、講師の登坂倫子がイギリス、スコットランド、オークニーでの、2014年国際資格習得ワークショップに参加するため、現地でのインターネットの不具合が万が一起きた場合は、皆さんへの返信が7月22日以降になるかもしれないことをご了承下さい。よろしくお願いいたします。

他、興味ある方、質問等、どうぞお気楽にご連絡下さい。

新しい出会いを楽しみにしております。

 noriko

申し訳ありません!お問い合わせ下さった方へお知らせです。

お知らせ

 

1月6日17時に、スタジオあんしぃんのウェブサイトから

お問い合わせを頂きましたお客様へ

 

お問い合わせフォームのシステムの不具合により、

お客様のご連絡先が正しく送信されなかったため、

こちらからご返信できない状態となっております。

 

お問い合わせの内容は把握しており、

システムの改修も既に完了しておりますので、

大変お手数ですが、下記より再度お問い合わせ頂けますと幸いです。

 

http://un-seen.net/form/

 

この度はご迷惑をおかけし申し訳ございません。

よろしくお願い致します。

母性の声

リンクレイター女史に、ついにサインを頂きました!

筆跡がダイナミックで、何が書いてあるか、じつは全部はわからないのですが、最初の一文は、”Thank you for bringing this work to Japan.”

「日本にこのワークを持っていってくれてありがとう。」です!

 

私がアメリカで出会ったクリスティン・リンクレイター女史のヴォイスワーク「Freeing the Natural Voice」そのマスターティーチャーに直接に会うのは、10年来の念願でした。

というよりは、きっと機が熟すまでにこの年月が必要だったのだと思います。

 

meeting は、たしか小一時間だったと思います。彼女のコロンビア大学のオフィスの中で、私がロサンゼルスでエレーナに習ったこと、帰国後、日本でやってきた過程と体験、日本でのヴォイスワークの可能性など、いろいろな話をしたのですが、その中で、印象的な瞬間がありました。

 

K「あなたは劇場とはコンタクトを取っているの?」

N「いえ、今は劇場と特に提携はしていません。でも昨年自分のスタジオをオープンして、週3回クラスをやっています。そこで、ラボとしてジョン・P・シャンリィのダウトを上演することが出来ました。」

K「それは素晴らしいわね。」

N「はい、出演者はみなこのヴォイスワークを1年以上勉強した人ばかりで、私は、シスター・アロイシスを演じました。」

K「そう、あれは難しい戯曲よね!」

 

そのとたん、リンクレイター女史の目線は一緒についてきた、トシに向けられました。

 

K「君はそれを観たの?」

T「は…..はい」

K「好きだった?」

T「はい好きでした。」

K「どこが?」

 

リンクレイター女史の視界にはもう私は入っていません。トシはいきなり振られ、たじたじでしたが、こう応えました。

 

T「あ,,,,あの…僕の知っている母は、優しい母で、でも、演じている時の母は今まで見たこともない、強い女性だったです。」

K「素晴らしい!素晴らしいじゃないの!今まで見たこともない母を君は観たのね!そして、それが好きだったのね!」

 

他のどの会話よりも、彼女の頬は紅潮し、表情は輝き、喜びに満ち溢れているのです。この会話を聞いていた私は、ああ、これがこのクリスティン・リンクレイターという人の本質なのだと、思いました。

 

彼女も、女手ひとつで男の子を育て上げたと聞いています。私にあわせて、駆けつけてきた恩師エレーナは当然、彼女の教え子であり、残りの時間は、ニューヨークで独り頑張る彼女の近況を温かく聞いていました。

 

リンクレイターは、母性の声でした。

 

彼女が1963年に、イギリスLondon Academy of Music and Dramatic Art(LAMDA)からニューヨークに移り、自分のスタジオを開いた経緯には、彼女の著書”freeing the natural voice”に書いてあることを読むとその頃の背景がわかります。

 

1920年代にアメリカで起きたアクターズスタジオでのメソッドは、飛躍的な発展を遂げて、アメリカのアクター達はイギリスとはまた別の意味で、その演技法を確立してゆくわけですが、弊害が現れ始めました。

自己の過去の記憶を呼び起こそうとして、内面に入りすぎてしまう….特に悲劇的な幼少期を過ごしたアクターには危険です。ともすれば、自己破壊に繋がって、結果破滅してしまった俳優が沢山います。(決して、メソッド自体が悪いというのではありません、一部の現象としてそうなることがあったということです。)

LAMDAに勉強にきたアメリカのアクター達はリンクレイターに懇願します。「どうか、アメリカに来てください。我々はこんなヴォイスワークを今まで知りませんでした。」メソッドが確立してからの弊害との模索の中で、アクター達は、ヴォイスワークの必然性を感じていたのでしょう。

 

1963年にアメリカに渡ってきたリンクレイターは、当時、「来るべき場所に来るべきタイミングで来たと、実感した」とあります。その後、彼女はアレクサンダー・テクニークと出会い、解剖学とイマジネイションワークを融合させて、現在のヴォイスワークを確立してゆきます。アクター達に必要だったのは、内面=心のトレーニングに加え、身体、ヴォイスのトレーニングだったのです。

その信念の根幹には、傷つき、泣き、自らを破滅してゆこうとする多くのアクターを助けたいという彼女の持つオーラ、母性の力があったのだと思います。

 

ステラ・アドラーもまた、女性。彼女もそのドキュメンタリーの中で、自らが母親に言われた、「恋をするのは、いい。でも、その感情をを心の深い底にまで落とすな、それは危険なのよ。」という言葉を引用しています。

 

そんなジャンヌ・ダルクのような勇者2人の女性に出会えた私はラッキーだっとしか思えませんし、私の根幹が枯渇していたのかもしれません。

 

今回、リンクレイターに会えたことによって、新しい目標が見えました。

彼女達が切磋琢磨して掴んできたもの、今後は今の自分のいるここで、ここにいる人たちとの働きの中で、私ももっと知りたいこと、学びたいことが増えました。

 

大御所リンクレイター女史の前では、まだまだ子どものような私です。これからも、精進させて頂きます!

 

 

 

とてもプライベートな話ではありますが…..

 

8月に、こんなカードをもらいました。ありがとね。

 

今日は、じつにプライベートな話。

このカード、言葉はとしで、絵はたかの共同制作だそうだ。

たかは、今中学2年生。

最近、私は彼の絵をface bookでアップしてまして、

おかげ様で、沢山のlikeを頂き、コメントも書いてもらったりして、結構楽しんでおります。

 

さて、なぜ私が彼の絵をアップし始めたかといいますと、理由があります。

夏休みに入る前の3者面談が発端でして、先生と私、そしてたか、

机挟んで、当然成績表もありまして….

 

先生「登坂、どうなんだ…..」

あまりにも、のんびりしたたかに、先生はかなり厳しい言葉をかけて下さったわけだが、

あまり反応も見せない彼に、先生からは、ますますいろんな話が続き、

横にいる母の中には限りない焦りが出てくるわけです。

「せ….先生の言っていることは、遠まわしだが、こういうことではないか….たしかに…..このままアヒルの行列では、この子は就職も出来ず、うちにずっとゲームをして…ゴロゴロといて、やりたいことも見つからず…..私はそうなったらどうしたらいいのだ…….」

不安、不安になったのだ。限りなく……

帰宅するやいなや、今まで言ったこともない勢いで、私は言い始めた。「勉強しないと!」

「うちは母子家庭なのだから、ぜったい公立でないと!」母が目くじらたてて、ロクなことはない。

家は一転して、暗黒ムードである….

 

だが、そんな一転ぶりに、彼の気持ちがついてくるはずもなく、彼は相変わらず、飄々と窓の外をみて、ゆったりと時間を過ごしているのである…..横には少年ジャンプ….

 

彼は、羨ましいくらい、スローペースだ。

ゆっくり靴紐を結び、ゆっくりご飯をたべ、部活動に勤しむでもなく、帰宅して

ゆったりと時間を過ごしている…..私とは、まったく違うパルスを持っている。

それが、たかである。私はそんなたかが好きだったはずである。

 

シングルマザーになると決心したときに、心に誓ったことは、「息子を虫歯にしない」と、「出来るかぎり、手作りのご飯を食べてもらう」その2つ。これが出来たら満点と思っていた。

今、我々は、なんだかんだ言っても、仲はいいし、たかのこのゆったりした居方が、結果危なっかしい3人のバランスをとってくれて、争い事もなく、ハッピーではないか……そう、十分にハッピーなではないか、おかげ様で。

 

数週間たって、なんかな…..焦りだし、恐怖を感じて今までの価値観を変えつつある自分が嫌になり、反省を込めて、初心に戻り、彼をリスペクトしたくなり….

落書きだ!

彼の落書きは、およそ私には考えられないような世界観があり、裏紙に描くことが多いので、結構私はそれを捨てないでとってある。それを写真に撮って、facebookに載せてみた。うん、やっぱりおもしろいじゃないか!

 

 

さて、たかに贈り物が届いたのだ。facebookで最近繋がった、高校の同級生で、手塚賞作家のプロの漫画家、岸大武郎くんが、たかの絵をなんと動かしてくれたのだ、魔法のように…

そのひとつ…

 

自分の絵が動く…..

 

たか、こればかりはかなり興奮して喜んだ。命を吹きこまれた

彼のオリジナルキャラクターはユーモラスに、それでいて、彼のオリジナルの作風を消さないように、岸くんの繊細なおもいやりで動かされているのである……

何十年ぶりの友情が、焦った母を助けてくれたのだ…..

 

教育という言葉が入ってしまうと、どうしても、相手のあるがままを受け入れられなくなって、自分の思うような型にはめてしまおうとする、これは、子育てでも、スタジオでの学びでもありがちなおそろしいエゴの罠である。

でも、教育=education  の語源は「引き出す」であって、なにかを取り付けるということではない。

スタジオでも、新しいクラスが9月16日にスタートし、嬉しいことに沢山の新しい生徒さんとの旅路が始まったばかり。

自己が生み出す恐怖で、他者に色をつけないようにしよう

じつにプライベートな話ではあるけれど、少年の落書きと、元少年のおもいやりに、助けられた私です。

まったく、こんな私ですが、ありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

音楽朗読劇、また新しく….

音楽劇がまた、新しく生まれ変わります….

 

今、ずっとの懸案だった、HPをリニューアル中です。ずっとこのHPをプログラムして、デザインをしてくださっている方と一緒に、ある夜、ほぼ徹夜状態で、いままでの自分の上演作品を調べていました。

いったい、何回ヒロシマの折鶴の少女の子ども劇、A Thousan Cranes 〜禎子と千羽鶴〜を上演したのだろう….
データ上に載っている、それぞれの上演年月日とタイトルに思いを馳せました…..
そのとき、そのとき、協力して下さった共演者たち…ありがとうの気持ちと共に、様々な光景が思い出されました。
どれも、タイトルはほぼ同じですが、確かに、毎回、毎回新しいことを見つけようと
努めてきたなと思います。
そして、2012年8月25日に再び、このヒロシマのテーマで音楽劇を上演するにあたっては、避けられないことがあります。東日本大震災、そして福島の原発事故です。
劇中、母はこう娘に言います。
「放射能はね、目には見えんのんよ…」
どのセリフも意味は変わってきました。そして、以前地元の小学校や、中学校で、
この劇を被爆者の村上啓子さんの講演会を踏まえて、上演したときは、やはり、私たちの中では、どこか、遠い人のお話しだったのかもしれません。
そう思うと、この劇を3年ぶりに再演するのは、少し怖かったです….
今回の参加者の高校生はどんな思いで演奏してくれるのでしょうか?中学生の女の子は何を考えるのでしょうか?これから、子どもを産める若さの女優はなにを感じるのでしょうか?
新しい問いかけを持って、私たちは、また新しいA Thousan Cranes 〜禎子と千羽鶴〜を
上演します。場所は素敵な古民家です。よろしかったら遊びに来て下さい。
*みんなで創ろう朗読音楽劇「A Thousand Cranes 〜禎子と千羽鶴〜」

日時:8月25日土曜日 開場14時半 スタート15時

場所:旧小坂邸
〒158-0095 東京都瀬田四丁目41-21

原作:キャサリン・S・ミラー

翻訳、脚色、演出:登坂倫子
出演:東笹乃波  池側生也  村山みのり 村上ゆか 後藤哲広
湯本はるな 関口晃弘  川﨑いっせい 松村拓  登坂倫子

音楽:笠原良介(世田谷総合高校) 宅見圭之助協力:せたよんのみなさん
無料
お問い合わせ、
株式会社森林再生システム内 瀬田四丁目広場利活用検討ワークショップ事務局
電話:03-5491-8244 E-mail:s.mochizuki@re-forest.com 担当:望月・中西
主催:世田谷区 みどりとみず政策担当部 公園緑地課/瀬田四丁目広場利活用検討ワークショップ事務局
協力:砧南グリーンズ・せたがや水辺の楽校・(財)世田谷トラストまちづくり

「身体の可能性を知る」加賀谷早苗さんによる9月4回舞踏ワークショップのお知らせ

グリーンカーテンは毎年、ヘチマとニガウリと朝顔で楽しんでます。

 

加賀谷早苗さんによる2012年 9月4回 舞踏ワークショップが実現しました!

日時:9月の木曜日(6日、13日、20日、27日)午後6時30分から 全4回

2時間半クラス

場所:studio unseen  [153-0041 目黒区駒場3-5-6 B1F]

*身体の可能性を知るのワークショップ

studio unseen では、9月に素晴らしいゲスト講師舞踏家の加賀谷早苗さんをお招きして4回の舞踏ワークショップの開催が実現しました。

早苗さんはルーマニアの演劇祭でもソロを踊られ「舞姫」と絶賛された方です。

受講料:4回ともに参加希望の方は4回で¥16,000円となります。

1回または、2~3回の単発での参加希望の方は一回の受講料は¥6,000

円とさせて頂きます。

1回受講の方:¥6,000円 2回受講の方:¥12,000円 3回受講の方:  ¥18,000

お申込みの際、何月何日のクラスに参加希望と必ずご記入下さい。

定員は12名

 

ゲスト講師:加賀谷早苗

舞踏家「友惠しづねと白桃房」。日本舞踊若柳流師範。メディアアーティスト。アート・マネージャー。東京芸術大学美術学部卒業。

日本人のからだをテーマにからだの表現による舞台アート、インターネット等を介したメディアアート活動を展開。音楽家、美術家、オペラ、伝統芸能、役者など他種ジャンルのアーティスト達とのコラボレーション公演も多い。

舞踏ワークショップ:

「TOMOE BUTOH Method」

からだの表現の可能性を、「からだの意識」、「(舞台)環境」との関連から捉え直し、出演者の個性を存分に謳歌させる方法として開発される。舞踏の技術を基に、より普遍的なからだの表現技能を追求している。

2009年『舞踏の顔』を「日本顔学会誌」第9巻に特別寄稿。

2010年情報コミュニケーション学会全国大会に「舞踏の実演“究極の身体コミュニケーションを体感する”」を講演。

 

早苗さんの私のクラスやWSでプログラミングして創って下さる内容は素晴らしく、まさしく身体の可能性を知るとしかいいようがありません。これを機会にぜひご参加下さい。

お申込みはnorikoのHPのメーリングフォームから舞踏参加としてお申込み下さい。

http://www.noriko-red.com/noriko/jp/home/news.html

お待ちしております!

noriko

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