News - 月別アーカイブ: 2017年11月

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硫黄島での声「太陽」「風」「雨」「島」…..そして「猫」

硫黄島

正式には「いおうとう」だそうです。

本州とグアムのちょうど真ん中に位置していて、そこで行われたアメリカと日本との激戦はクリント・イーストウッド監督の

「硫黄島からの手紙」で映像化されています。

心残したまま疎開した島民の人たちは、戦後火山活動など様々な理由で戻ることは出来ず、

現在は航空自衛隊硫黄島基地隊の方たちが訓練をされています。

今回、私はそこで部外講師という立場で、「リンクレイターヴォイスワーク」を隊員の方たちに提供する機会をいただきました。

女性ばかりの宝塚歌劇団で大人数のヴォイスワークは経験はありますが、57名、しかも28歳から54歳までの屈強な男性ばかり!企画してくださった硫黄島基地隊司令丸山一等空佐と準備にかれこれ半年は費やしました。

 

今回の受講者の隊員の方たちは、様々な土地から硫黄島基地隊に赴任されて3週間ここで寝泊まりして日々訓練されています。

1週間内地に戻り、またこちらへ。これを2年間続けるそうです。

いわゆる娯楽の無い島で寝食を共にしつつ厳しい訓練を続ける。体力はもちろん、精神面でもハードルは高いのだと思います。

部隊と舞台。そのストイックな修練と緊張感は、私の母体の宝塚にも共通するところがあります。

スタートは、ボール投げから始めることにしました。

「ボールを相手に渡す」というシンプルな動作を続ける過程に、緊張と弛緩、他者をイメージ(視覚化、味覚など)を使うことで瞬時に認証し様々な声を発声出来る、止まった状態だけでなく、動くことで前方のみではなく、サイド、後ろなどの空間感覚と距離感覚を作り上げる。渡すボールを増やしていくこと(負荷)、且つ続ける明確な数字(20回)を与えることで、苦手な人に対するサポートと全体責任が自然派生する。

いわゆるウォーミングアップであり、「遊び」です。上手くいけば、かなり難度な課題を出しても、メンバーが小宇宙のようになる事ができます。

このボール投げは、私が実際アメリカとスコットランドでリンクレイターヴォイス資格講師トレーニングの合宿の時に毎日やったものです。世界各国から来た違う言語の15名が、一つになれるおもしろいワークで、宝塚歌劇団研究科一年生の演技レッスンでも毎回お題を変えて難易度を高くして行きました。

最初緊張して、隊員さん、ぼとぼとボールを落としますが、さすが、連携プレーは得意。続きはじめます。

そして、これが起爆剤になるのですが、「キウイ!」「さくらんぼ!」など、一見その方に似合わない(失礼!)呼び名が飛び出すことで、その意外性で壁は一気に崩れるものです。

一番楽しんでいたのは私かもしれません!

ボール投げでひとしきり皆さんをほぐし、かつ様々な気づきを言語化したあとは、

リンクレイターヴォイスの最初の「脊椎」の認識。

今回は人数が多いので、楽団メンバーのダンサー山下尚美さんと整体師の山﨑克弘さんにもアシストしてもらいます。

日頃、筋肉を固く緊張に気付かないくらい緊張している隊員の方たちの身体を柔らかく伸ばしてくれるのは…..

「重さ」と「重力」

そういった意味では、島という大地でこのワークが出来ることに、私もとても興味がありました。

最終的には、皆さんの居方(姿勢)が、すっきりと変わります。

最後の感想では、

「脳がリラックスした」

「肩が楽になった」

「視界が広がった」

「響く声がわかった」

など、日々、ハードな毎日をやっている隊員のみなさんに新しい視点での声と身体の概念が与えられたことは今回の企画の大きな目標の達成です。

そして、宴。

サプライズは、隊員の皆さんがこの日のためにエイサーを練習していて下さったのです。

共に歌い、踊り、食べて飲む。人と人をつなぐ大切なもの。

二日目の課題も出せました。

それは、原初的な「声」が自由になったら、こんどはそれを「言語」で体験して欲しいと思って企画したもの。

5人の有志にシンプルな詩を自作してもらいます。お題は「太陽」「風」「島」「雨」そして

この島には島猫が沢山いるので、「猫」!

いきなりこういう振られ方をして、隊員の方、戸惑っていらっしゃいましたが、2つ返事で「やります!」と。

期待は大きくなり、次の日へ。

二日目

エイサー部と島猫楽団の楽器を使います。いわば言語と音のセッションです。

 

「詩」に、こんどは動きと音を入れていきます。

これは他者を聴かなくてはならず、全員が全力で頑張ってしまうと、声(言語、詩)を消してしまいますし、

かといって、単調なリズムではなにも面白くありませんし、言語も触発されません。

お互いを誘発しあい、パフォーマンスはおもしろく生まれてきます。

そして、野外での発表。

隊員のみなさんの自作の詩は、どれもその人の言葉で、素晴らしかったです。

この島に立ち、その人が生きてみて生まれる言葉。

そこに仲間と創る音と動きと喜びが共鳴する。

私はそういうのが大好きです。

最近思うのは、本当の師匠は結局は自然なのではないかしらと。

私たちもこの日のために「島猫楽団」を編成して歌をお返しに。

選んだ曲は、宝塚の「すみれの花さく頃」

島崎藤村作詞「椰子の実」

沢山の方たちがうちに帰りたいという思いでその生命を散らしたこの島だから

「埴生の宿」

硫黄島基地隊mustの歌、「硫黄の島」を。

歌詞にすべての島の情景が繋がりました。

兵士たちもかつて満天の星の下で故郷を思いながら歌われたのかもしれません。

いえ、歌ったに違いありません。

 

~埴生の宿~

埴生の宿も我が宿

たまのよそおい うらやまじ

のどかなりや 春の空

花はあるじ 鳥は友

home home sweet sweet home

there is no place like home

there is no place like home

文読む窓も 我が窓

瑠璃の床もうらやまじ

清らなりや 秋の夜半

月はあるじ 虫は友

home home sweet sweet home

there is no place like home

there is no place like home

 

合掌

PS:そのあとの硫黄島での体験は私信としてNoriko’s Blogにアップしています。

2017年12月、2018年1月ステラ・アドラー演劇、リンクレイターヴォイス、体験ワークショップ受講者募集のお知らせ

2017年12月〜2018年1月開催 登坂倫子によるステラ・アドラー演劇、リンクレイターヴォイスワークワークショップを開催します。

詳細とスケジュール

 

*ステラ・アドラー演劇基本クラス

12月16日(土曜日)14:00pm~16:30 pm(2.5hours)

        テーマ:ステラ・アドラー演劇の核、Place とAction を体験します。

     定員:10名

*ステラ・アドラー演劇 戯曲解釈クラス

12月23日(土曜日)14:00pm~16:30 pm(2.5hours)

   テーマ:戯曲を読み咀嚼する力を培います。アメリカのチャールズ・ワクスバーグ著作「actor’s script(俳優の戯曲)」をテキストに、課題はアメリカの戯曲作家ジョン・パトリック・シャンリィ作「ダニーと紺碧の海」を使います。

   注)受講者の方は必ず戯曲を読んでから参加して下さい。

   定員:10名

 

*リンクレイターヴォイスワーク:

#1リンクレイターヴォイス 1月6日(土曜日) 14:00pm~16:30 pm(2.5hours)

   テーマ:あなた自身の声への新しい出会い、セネスティージア(共感覚)、ヴォイスポエム

   定員:10名

      

#2リンクレイターヴォイス 1月8日(月曜日) 14:00pm~16:30 pm(2.5hours)

   テーマ:骨格と呼吸の仕組み、タッチオブサウンド、横隔膜の具体化、テキストワーク

   定員:10名

  

#3リンクレイターヴォイス:1月13日(土)14:00pm~16:30 pm(2.5hours)

          テーマ:ハミング、リリース、サウンドを自由に!テキストワーク

    注:#3は、過去の行われたリンクレイターヴォイス#2を受講された方が受講可。

    定員:10名

 

#4リンクレイターヴォイス:1月20日(土曜日)14:00pm~16:30 pm(2.5hours)

       テーマ:自由になったヴォイス、重力と抗重力によるハミング、フロアーワーク、テキストワーク

        注:#4は、過去の行われたリンクレイターヴォイス#2,#3を受講された方が受講可。

        定員:6名

 

#4リンクレイターヴォイス:1月24日(水)14:00pm~16:30 pm(2.5hours)

               テーマ:自由になったヴォイス、重力と抗重力によるハミング、フロアーワーク、テキストワーク                   

    (内容は20日と同じです。)

          注:#4は、過去の行われたリンクレイターヴォイス#2,#3を受講された方が受講可。

    定員:6名

 

#5リンクレイターヴォイス:1月27日(土曜日)14:00pm~16:30 pm(2.5hours)

          テーマ:声の水門を開く!顎、舌、そしてソフトパレット。 テキストワーク

           定員:10名

           注:#5は、過去行われたリンクレイターヴォイス#2, #3, #4 を受講された方が受講可。

 

場所:studio unseen  東京都板橋区大谷口2-33-12

講師:登坂倫子

宝塚歌劇団出身。星組娘役「乙原愛」の芸名で活動、10年目に退団。1993年渡米。ハリウッドのステラ・アドラー・アカデミー・オブ・アクティングを卒業。現地の舞台で女優、演出家としてデビュー。2005年帰国後は日本初のステラ・アドラー演劇とリンクレイターヴォイスワークの長期クラスをスタート。2010年は初オリジナル作品「unseen~あんしぃん~」を発表。2011年夏よりスタジオunseenをオープン。2012年同スタジオ初lavo公演では、「ダウト」のシスターアロイシスを演じる。2014年7月に、世界規模で行なわれるリンクレイターヴォイスワーク公認資格講師に日本人としては初めて合格。2016年には、宝塚歌劇団花組公演「ミー アンド マイガール」で演技指導として参加し、毎年演技指導講師として宝塚で後進を育成している。並行して自身のスタジオでの教えと表現も続け、発表会など幅広い活動を広げている。

著書:「宝塚」「アート オヴ ヴォイス」現代書館

内容:

*ステラ・アドラー演劇基本クラス

ステラ・アドラーはアメリカ1930年代にグループシアターで活躍し、その後ニューヨークとロサンゼルスにステラ・アドラーアカデミーオブアクティングを設立。マーロン・ブランド、アル・パチーノなど、優れた俳優を育てました。またスタニスラフスキーから演劇を直接学んだ貴重なアメリカ人でもあります。今回のワークショップでは基本エクササイズである、imagination(想像力)、place(場所)、action(行動)を追求し、アクターを真の体験に導くワークを行います。参加には、演劇経験は問いません。

*ステラ・アドラー演劇戯曲解釈クラス

俳優がしっかりと戯曲を理解する力は必須です。本の内容を噛み砕いて咀嚼するアプローチ法を学びます。一つの戯曲にじっくり取り組む良き体験となります。

 

*リンクレイターヴォイスワーククラス(#1~#5)

スコットランド人の、クリスティン・リンクレイター氏によって考案された世界的なヴォイスワークです。欧米はもちろん近年は中国、台湾でも広がっています。彼女は、イギリスLAMDAで学んだ後、1963年にアメリカに渡り声を通してその人自身を自由にする「フリーイング ザ ナチュラルヴォイス」を考案します。リラクゼイション、呼吸の認識にはじまり、心技体のエクササイズから構成され、アクター自身が3~4オクターブのスピーキングレンジ(声域)を持つことが出来ます。日本で唯一のリンクレイター資格取得講師、登坂倫子が直接指導します。

今回の一日体験ワークショップは、5回の構成になっています。

#1は、イマジネイションと解剖学の双方の視点からその人自身の新しい声に出会う体験です。

#2は身体と呼吸の認識から始まり、声を力で出すという概念を一転させるワークを体験します。

#3は原初的な音(タッチオブサウンド)をハミングで増幅させます。地球の気の流れの中に楽にいる状態で、自由に声を広げて行きます。自己の心に響いた詩をテキストとして使います。

#4は自由になった声の体感から、フロアーワークに入ります。声の指揮者と言われている共鳴体=骨、そのすべての骨にめぐる声を体感します。そうすることによって、自己の本能や無意識下に繋がった声にアプローチして行きます。床を沢山使いますので、1クラスの人数は少なくしているので、2回開催します。テキストワーク有り。

#5 は、自由な声を邪魔するものを取り除くワークです。顎、舌、ソフトパレット、これらの緊張に気づきリラックスすることで、口の中の空間が驚くほど広くなり、声は水門から水が飛び出すように解放されてゆきます。テキストワーク有り

#1,#2,#3,#4,#5  ともに舞台俳優はもちろん、声に興味ある方でしたらどなたでも受講して下さい。受講は1回でも2回でも大丈夫です。すべてのクラスは日本人で唯一国際資格取得講師として認められた登坂倫子が直接指導します。

HP内リンクレイターヴォイス解説  http://un-seen.net/lesson/linklater/

クリスティン リンクレイター ウィキペディア(英語) http://en.wikipedia.org/wiki/Kristin_Linklater

各クラスお申込み:http://un-seen.net/

メールフォームよりお申込み下さい。

受講料:各クラス7,000円。

複数クラスの受講について:3クラス受講希望の方は、21,000円→20,500円 4クラス受講希望の方は28,000円→27,000円 5クラス受講希望の方は、35,000円→33,500円 6クラス受講希望の方は、42,000円→40,000円 7クラスすべて受講希望の方は49,000円→46,000円の割引料金とさせて頂きます。HPの、メールフォームよりお申込み下さい。その際、携帯電話番号も必須でご記入下さい。ごく稀ですが、PCからのメールが携帯に届かない場合がありますので、受講者の方との連絡を確実にするためのものなので、ご協力をお願い致します。

何月何日のどのワークショップを受講されるか、はっきりとご明記下さい。

例)1月6日の#1リンクレイターヴォイス受講希望。

例)1月6日、8日のリンクレイターヴォイス#1,#2の2クラス受講希望。

例)12月16日のステラ・アドラー基本演劇と、1月6日、8日のリンクレイターヴォイス#1,#2の、3クラス受講希望。

例)1月13日#3,  1月24日#4リンクレイターヴォイス2クラス受講希望。

例)12月16日のステラ・アドラー基本演劇, リンレイターヴォイス1月6日#1、1月8日#2、1月13日#3、1月20日#4の、5クラス受講希望。

例)12月16日ステラ・アドラー演劇基本クラス、12月23日ステラ・アドラー演劇戯曲解釈クラス、リンレイターヴォイス1月6日#1、1月8日#2、1月13日#3、1月20日#4、1月27日#5  の、7クラスすべて受講希望。

例)12月23日ステラ・アドラー演劇戯曲解釈クラスのみ受講希望

他、受講方法をもっと知りたい方、興味ある方、質問等、メールフォームよりどうぞお気楽にご連絡下さい。

2017年の締めくくりと、新しい年2018年の幕開けは、創造的な時間と学びの空間に出かけてみませんか!新たしい出会い、そして嬉しい再会を楽しみにしております。

studio unseen アーティスティック・ディレクター

リンクレイターヴォイス国際資格取得講師 

登坂倫子

© 2005-2018 studio unseen.